おもしろい絵本『じごくのラーメンや』
6冊目。
今回ご紹介するのはちょっと怖い?でもおもしろい絵本、「じごくのラーメンや」です。
地獄、と聞くとこわーいお話を想像してしまいがちですが、こちらの絵本を読んだら地獄なんて怖くなくなってしまうかも?
表紙
表紙はこちらです。
地獄のエンマ大王がラーメンを持ってにっこり。
とっても辛そうなラーメンですが、一体どんなお味なんでしょうか…?
あらすじ
お話は地獄を舞台にスタートします。
地獄ってどういうところか知っていますか?血の池や針山があって、たくさんの鬼が住んでいるとってもこわーいところです。
地獄に堕とされた人たちはそんな怖い地獄が嫌でたまりません。
『天国に行きたいなあ』と不満を漏らす毎日です。
そんな地獄の住人の様子を見たエンマ大王は、地獄の中にラーメン屋をオープンさせました。
エンマ大王が作る、とってもからーい血の池ラーメンを食べきったら、天国に行かせてあげる、と約束をしたのです。
人々は天国行きたさに続々とチャレンジしますが、あまりの辛さに降参してばかり。
『なんだなんだ情けないな!』とエンマ大王は高笑いします。
そんな辛い匂いは、天国にまで届きました。
仏様たちは地獄にラーメン屋ができたと知って興味津々です。
わざわざ地獄まで出向いて、噂のラーメンに挑戦することにします。
果たして、エンマ大王のラーメン屋はどうなってしまうのでしょうか?
作者紹介
この作品の作者は苅田澄子(かんだすみこ)さんです。
フリーで編集の仕事をしながら、小沢正氏に師事されました。『いかりのギョーザ』や『ゆでたまごひめ』などのお話を制作されています。
また、作画は西村繁雄さんです。数多くの絵本を作成されており、色鮮やかでダイナミックな作風は多くのファンを魅了しています。
おわりに
今回は『じごくのラーメンや』をご紹介しました。
子どもたちに恐怖心を植え付けがちな地獄という題材で、おもしろおかしい作風を保っている少し珍しい作品です。
小さなお子さんに読むのにも適しているのでおすすめですよ。
世界の名作えほん 『星の王子さま』
5作めは世界の名作をご紹介したいと思います。
かわいらしい王子様の絵でも有名な今作ですが、かわいいだけでなく、実はとても奥が深い物語です。
こどもだけでなく、大人の心に呼びかける、そんな素敵なお話を是非親子で読んでみてください。
表紙
表紙はこちら。
このかわいらしい王子様の絵を見たことのある人は多いのではないでしょうか。
彼が主人公の星の王子様です。
王子様は、小さな星にたった1人で住んでいました。しかしひょんなことから星を飛び出し、旅に出るのです。
一体どんな旅をしてきたのでしょう…。
あらすじ
実はこの物語の主人公はもう1人います。
それは『ぼく』です。
ぼくは、子どもの頃に「大きな蛇が獣を飲み込んだ絵」を描きます。しかし、大人には「帽子?」と言われ、蛇の絵だと説明すると「そんなことはどうでもいいから勉強しなさい。」と言われてしまいます。
大人の対応に呆れるぼくですが、やがて自身も大人になり、パイロットになります。
そしてある日、飛行機が故障して砂漠にたった1人で不時着してしまうという事故を起こしてしまいます。
このままでは死んでしまう、どうにかしなければ、と修理に励んでいるとき、突然現れた星の王子さまに出会うのです。
王子さまはぼくに、「自分の星で飼うための羊の絵を描いてくれる?」と頼んできます。
幼少期に大人に絵をバカにされてから絵を描いてこなかったぼくは、なかなかうまく羊を描くことができず、何度描いても王子さまからOKをもらうことができません。
だんだんイライラしてきたぼくは、箱の絵を描いて王子さまに渡します。
「君の羊、その箱に入れておいたよ!」
すると王子さまは大喜び。
「こんな羊が欲しかったの。あ、羊寝ちゃったよ…。」
それからぼくと王子さまはいろんな話をします。
王子さまは小さな星に住んでいたのですが、ある日、そこに美しい花が咲きました。
花は美しかったのですが、性格にトゲがあり、王子さまは喧嘩をしてしまいました。そして花を置いてそのまま星を飛び出してきてしまったのです。
王子さまは様々な星を巡ったのちに、今いる地球にたどり着きました。
旅の中で様々な人に出会い、様々な体験をしてきたという王子さまのお話は、この絵本を読んでいる人たちの心に留めておきたい話ばかりです。
この名台詞はあまりにも有名ですね。
忘れかけていた大切なことを、王子さまは読者、特に大人に教えてくれます。
さて、ぼくと王子さまは無事に砂漠から帰ることができるのでしょうか?
そして2人の関係はどうなってしまうのでしょう?
作者紹介
作者のサンテグジュペリはフランスの作家です。
兵役でパイロットをしていた経験があり、それが本作にも生かされています。
代表作星の王子さまは全世界で愛されており、何世代にも渡って多くの人々を魅了しています。
おわりに
今回は世界の名作をご紹介しました。
星の王子さまは絵本だけでなく、文庫本版も出ており、小学生以上の方は是非そちらを読んでみることをおすすめします。
絵本には載りきらなかったストーリーもしっかり読めるので、より一層サンテグジュペリの世界を楽しむことができますよ。
ちょっとこわい絵本 『どこいったん』
4冊め。
久しぶりにご紹介する今回は、ちょっとこわーい?絵本です。
その名も「どこいったん」。
表紙
表紙はこちら。
どこか遠くを見つめているような、ぼーっとしているような、こんなくまさんが主人公です。
いまいち表情が読み取れない彼、こどもよりも、おとなの方が「怖い」と感じてしまうかもしれません。
あらすじ
主人公のくまさんは、大切な帽子をどこかに置き忘れてしまいました。
「ぼくのぼうし そこいったん?」
と森の仲間たちに聞いてまわります。
それでもなかなか見つかりません。
すると…。
今度はうさぎさんに尋ねるくまさん。
あらら、うさぎさんの頭の上、なにか乗っていますね?
知らない、と答える彼の言葉もなぜか赤文字で記されています。
しかしくまさんは気づかずに行ってしまいます。
果たして、くまさんは帽子に気づくのでしょうか?
そしてうさぎさんはどうなってしまうのでしょう…?
作者紹介
作者はジョンクラッセンさんというカナダの絵本作家です。
この「どこいったん」のほかにも「みつけてん」「ちがうねん」という帽子シリーズの作品を出版しています。
2013年にはケイト・クリーナウェイ賞とコールデット賞を受賞されています。
そしてこのちょっぴりこわい絵本を柔らかな関西弁に翻訳されたのが長谷川義史さん。
ご自身も絵本作家として活躍されている長谷川さんが描く独特のキャラクター感に注目です。
おわりに
今回は、ちょっぴり怖い絵本「どこいったん」をご紹介しました。
こどもよりもおとなの心に残るような作品です。
夏休みの1冊に、是非加えてみてくださいね。
それではまた次回もお楽しみに!
おもしろい絵本『たべものやさんしりとりたいかい かいさいします』
3冊目。
今回は、『たべものやさんしりとりたいかい かいさいします』をご紹介していきたいと思います。
表紙
表紙絵はこちら。
かわいらしくておいしそうな食べ物たちが並んでいます。
見ているだけでわくわくしてきませんか?
この絵本は、タイトル通り、しりとりをしていくお話です。
しりとりを覚えるころのお子さまにぴったりです。
あらすじ
タイトルのとおり、この絵本は、たべものの名前でしりとりをしていくお話です。
たべものやさんでしりとり大会!
まちのお店やさんたちが、優勝を目指して続々と集まってきます。
ところが…
おやおや。
ラーメン屋さんから参加のラーメンたち。
実は、しりとりをするにあたってとても不利な状況になってしまっています。
しりとりが分かる子なら、なぜかわかりますね?
さて、このピンチをどう切り抜けるのでしょうか…?
作者紹介
この絵本の作者は、シゲタサヤカさんです。
群馬県出身の絵本作家さんで、講談社絵本新人賞佳作を3年連続受賞された経歴をお持ちです。
お子さんを持つパパママは、もしかしたら、某ファストフード店のおまけでついてきた絵本、『ラッキーカレー』でシゲタ作品と出会っているかもしれません。
かわいらしい絵と、くすっと笑えるお話を書かれる注目の作家さんです。
おわりに
今回は『たべものやさんしりとりたいかい かいさいします』をご紹介しました。
お子さんと、しりとりを楽しみながら、是非一緒に読んでみてくださいね。
また次回もお楽しみに!
ためになる絵本『13800000000ねんきみのたび』
2冊め。
今回はためになる絵本、『138000000000ねんきみのたび』をご紹介したいと思います。
表紙
表紙絵はこちら。
この絵本は、地球、そしてヒトはどうやって誕生したのか、という歴史を教えてくれます。
宇宙を表わした黒い背景と恐竜が印象的です。
子どもと話していると「なんで?」という疑問をよく受けます。
人はどこからうまれたの?恐竜はなんで今いないの?
そんな疑問に優しく答えをくれる絵本です。
なぜなぜ期のお子さんにはもちろん、おとなでも、「へーそうなんだ」という内容になっているので、とてもおすすめです。
あらすじ
全ての生き物の基本は「原子(げんし)」です。
お話はそんなところからはじまります。
難しい話はせずに、『きみは げんしっていう ちいさなつぶでできている』という分かりやすくかつ的確な説明をしてくれるのがこの絵本のいいところ。
すべては1粒の小さな原子から始まりました。
やがてそれは集まって大きな星になり、生き物になり、どんどん変化して大きな生態系を作るようになっていきます。
恐竜はなぜ絶滅してしまったのか?
ヒトが今に至るまでにどのような歴史があったのか?
という疑問の数々に、子どもが飽きない程度の分量で、分かりやすく教えてくれるので、とてもためになる絵本としてイチオシです。
作者紹介
この絵本の作者は坂井治さんです。
国立科学館の映像ディレクションをされている方なのだそうです。
優しいタッチの絵が特徴で、絵本作家の他に、アニメーションやイラスト作家等、精力的に活動されています。
おわりに
今回は、『13800000000ねんきみのたび』をご紹介しました。
お子さんと地球の旅について、一緒に学んでみてはいかがでしょうか?
また次回もお楽しみに!
くすっと笑える絵本 『もうぬげない』
記念すべき1冊目。
ヨシタケシンスケさん作『もうぬげない』をご紹介していきたいと思います。
表紙
表紙はこちら。
ヨシタケさん特有の優しいタッチの絵が印象的です。
絵本屋さん大賞を受賞している『もうぬげない』。
早速ご紹介していきます。
あらすじ
主人公の男の子が、服がひっかかってぬげなくなってしまうところから物語ははじまります。
この格好、子どもあるあるではないでしょうか?
思わずくすっと笑ってしまいますね。
早くお風呂にはいりなさいと服を脱がそうとしてくるお母さんに
『自分で脱ぐから大丈夫!』
と反抗してしまった男の子。
残念ながら顔のところで服がひっかかってしまい、脱げなくなってしまいます。
さて、どうしましょう?
なんと、男の子は服を脱がないまま生活することを決意します。
まさかの決断です(笑)
男の子はこのままどうなってしまうのでしょうか…?
作者紹介
この作品の作者はヨシタケシンスケさんです。
『りんごかもしれない』でデビュー後、数々のヒット作品を生み出しています。
この『もうぬげない』は絵本屋大賞を受賞後、口コミで広がり、29万部の大ヒット作品となります。
子どもだけでなく、おとなが読んでも面白いというのがヨシタケ作品の特徴です。
子ども目線のストーリーながら考えさせられる点も多くあり、真にヨシタケ作品の魅力を理解できるのは、子どもではなく大人の方であろうと思います。
読む年代によって感じ方が変わる作品を作られる作家さんです。
おわりに
今回はヨシタケシンスケさんの作品『もうぬげない』をご紹介していきました。
まだ読んだことのない方は是非読んでみてくださいね。
では、また次回をお楽しみに!